[People Management] 部下を先に信頼しよう

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[People Management] 部下を先に信頼しよう

これは部下に限らないのですが、信頼関係の基本はこちらから先に相手を信頼することです。
根拠の提示を求めずに、まず信頼する。これはかなり勇気がいることですが、必要なことです。

信頼するのに根拠を求めてないけない理由

これは簡単です。根拠を求めること自体が「不信」のサインだからです。
信頼の定義上、根拠を求めてはいけないのです。根拠を求めた途端、「信頼」は「信用」に変わります。
銀行が融資をする際に、信用として担保を求めるのと同じです。

「信頼」とは常に裏切られるリスクを包含した、一種の賭けです。
そのリスクを回避した先に「信頼」はありません。
人は自分を「信頼」してくれる存在のためには頑張ろうという意欲が湧くものですが、自分を「信用」してくれる存在のためにはそれほど頑張ろうとは思いません。銀行のために頑張ろうという人がほぼいないのと同じ理屈です。

それはベースに「不信」があるかどうかの違いなのであり、そのことが端的に示されるのが根拠を求めるかどうか、なのです。

先に信頼する必要がある理由

人と信頼関係を取り結ぶにはどちらかが先に相手を信頼する必要があります。リスクをとって一歩踏み込まなくてはいけません。お互い待ち合ってしまってはデッドロックになってしまいます。

そして、相手が信頼を示してくれるまで信頼しないという態度はリスク回避であり、先に述べた担保を求める態度であって、そこには「不信」が発生してしまうのです。したがって、信頼関係構築の問題は勇気の問題とも言えるのです。

あなたがマネージャーであるなら、常にあなたが先に部下を信頼する必要があります。「信用」を踏み越えていきなり「信頼」する姿勢が相手の信頼を生みます。

とはいえ、無差別に信頼していいのか?

気持ちはすごく理解できますが、これは問いの立て方が少し違っていて、正しくは「無差別に信頼し続けていいのか?」になるかと思います。

初手は信頼する。これは動きません。というか、これを外すと信頼関係構築のトリガーが動きません。

問題は信頼してみた後、信頼にたる相手ではないとわかった場合です。この場合は、適宜距離をとりましょう。致命傷になる前に離れる、または「信用」に切り替えてください。残念ながら信頼にもとる人というのは存在します。これはある程度、リスクとして受け入れざるを得ません。

それと、あなたの直感が「こいつはやばい」と感じる相手に対しては、そもそも最初から信頼関係を取り結ぼうとすること自体が適切ではありません。基本的には致命傷にならない範囲であれば勇気を持って信頼する。ですが、前提が崩れるならその限りではないということですね。

そもそも、職場の人間関係であれば採用の段階で「やばい」相手はある程度除外できているはずですが、何事にも例外というものはありますし、全ての相手をあなたが選んでいるわけでは当然ないので。致し方ない部分ではあります。

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